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2024/10/01

社内レポート

工匠の『道具置き場』

工匠の『道具置き場』

松戸市、市川市、宮大工が手掛ける注文住宅・古民家再生の工匠です。

皆さんこんにちは。

大工にとって腕の延長!とまで言われる、大切な道具。

細工をするための小さな道具から、大きな木材を断裁する機械など、その数は本当にたくさん。

では、それらの道具は普段どのようにしまわれているのか、今回は松戸市にある工匠の加工場裏側をレポートします。


大工さんにとって道具はなくてはならない物です。特に手刻みをしている宮大工は、一つの加工をするのに対してもたくさんの道具を手元に置いて使い分けながら作業しているのがわかります。鉋だけで数種類。鑿も数種類。玄翁、矩差、鋸、墨壺、他にも電動工具や、大きな機械も使っています。そして、それに伴うものもたくさん。刃物をメンテナンスするため日々使う研ぎ石や、延長コード、替刃なども含めて本当にたくさんの道具を使って作業をしています。


使っているうちに自分の癖が道具にうつるそうですよ。個々の持ち物である鑿や鉋ならそれも分かる気がしますが、なんと電動工具にもそれぞれ使い手の癖が出てくるらしいんです。

休憩中の大工さんが言っていました。

「丸鋸も人にかすと壊れることあるよ。」

「あるある!」

「うそ~。」って思いませんか?

「ほんとほんと。大型の機械だって長い作業の途中、急に違う奴が使うとへそ曲げんだよね。この前止まっちゃったもん。」

なんて笑ってました。おもしろいですね。

大型機械の不調は冗談ですね。

自分で研いでいる刃物は自分の好みにしていくし、鉋台も自分で直したり、調整して手になじませていくんです。前に長瀬大工が「道具を育てる」と言っていたのを思い出しました。でもそういう類の道具なら癖の話も「ほぉ~」って思うんです。でも電動工具までとはおもしろいです。


自分のやりたい仕事、加工があって、想い通りに扱える道具を探して、手に入れ、更に自分の手になじませていく。そうやって少しずつ自分だけの道具を増やしていくんですね。無垢材の癖を読み自分なりの方法と経験で建材へと変えていく宮大工の道具ですから、考えてみると確かに、電動工具であっても職人の癖がうつっていくのも納得できる気がしてきました。道具と一緒に長い時間作業をして、他人が使うと扱いにくくても自分にとっては最高の道具となり唯一無二になる。
 

工匠には、たくさんの大工が在籍しています。なので、もちろん道具もたくさんあります。現場に持ち出す道具も多いですが、社内加工場で使用する道具もたくさんあります。

個々に手入れされた道具はきちんと仕分けされ、整頓されています。


道具を探すのに時間をロスしてしまう事のないようにするのはもちろんですが、大切な道具が良い状態で、紛失のないようかつ安全に保管されていることは重要です。
社寺建築の場合は、大きな材料が大量に運ばれることも有りますから、道具で工場を狭くしてしまう事はできません。作業に集中している時や、大きな木材の移動の際、足元に無造作に置かれた道具は大変危険です。
多くの道具の保管場所が工場内に広く確保されていることはとても大事なことです。

大工の素晴らしい技術と良いコンディションの道具が揃っていることは、良い仕事に直結します。


道具置き場には、大きな研ぎ場も設けており、若い大工は毎日毎日試行錯誤を繰り返しながら、刃物と向きあっています。疲れた体と心も、ここで研ぎ澄ましていきます。数人が並んで刃物を研げる場所があることも大工にとっては重要です。

この道具置き場、なんだか落ち着きます。加工場の忙しさを一瞬スーッと断ち切るような、なんというか少し冷たい、静寂があるんです。そう思ってる人、私だけかもしれませんが…。

動きのないものがきちんと並んでいるのは空気も止まっているようで、リセット感があります。

大工さん達も時には、道具を取りにこの場所へやってきて、少し気持ちを立て直す日もあるのではないかなと思います。

ものが多いけどだらしなさを一切感じない、整頓されたいい空間です。

ブログ:☞工匠の『研ぎ場』も是非。

松戸市に本社工場を構える工匠では、今日も大工が木と向き合っています。大工達のこだわりや道具などちょっとしたことを切り取ってレポートしたいと思っています。

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