松戸市、市川市、宮大工が手掛ける注文住宅・古民家再生の工匠、広報担当です。
皆様こんにちは。
子供や孫が帰ってきて、カバンをおろして居間やリビングのテーブルですぐに宿題や学習を始める。低学年の子供たちにはもう当たり前の姿かもしれません。
自室に行かせる大人の一言や、自室に行くという子供の手間を省いてやるだけで意外とすんなりと宿題を始められたりするものです。活発な子は宿題のあと荷物もそのままに、外へ飛び出して行ってしまうのではないでしょうか。今回は、リビング学習のメリットデメリットを整理して、どのような環境を整えるといいのかをまとめてみます。家づくりの時、ちょっとだけスタディコーナーを想定しておくのはどうでしょうか。
目次
○リビング学習とは
○リビング学習のメリット
・集中力を高める効果
・学習の習慣化
・程よい緊張感
・安心感
・家族の気配がモチベーション
・片付けの習慣化
・光熱費節約
○リビング学習のデメリット
・子供の荷物が増える、散らかる
・兄弟喧嘩
・干渉しすぎて叱ってしまう、急かしてしまう
・気が散る要素が多い
・姿勢問題、照明問題
○リビング学習の環境を整える
○まとめ
皆さんもうご存じの通りですが、リビング学習とは自室ではなく、家族が集まるリビングで、子供が宿題や学習を行う事です。学習机に向かって静かな環境下で勉強しなければいけない、という概念は無くなりつつあります。リビング学習にはそれなりのメリットがあるからなのです。
リビング学習でいいじゃないか、と肩の力を抜いて学習に取り掛かるまでのハードルをグッと下げてしまうことは子供にはもちろん、学習を毎日促さなければならない大人側にとってもまず、メリット一つですね。他にはどんなメリットがあるでしょうか。
人は無音の中だと不安感を覚えるため集中力が高まりません。程よい環境音があるリビングは集中力を高めるのに適した環境になっている場合が多いです。
程よい環境音とは、聞こえてくるけど気にならない音のことです。自分には関係しない話し声や足音、雨音や緩い風の音などです。耳から入る雑音をシャットアウトし、取り組んでいることへ集中しようとする脳のメカニズムが働くそうです。電車内の勉強やカフェで仕事をしている人をよく見かけるのは、集中できる環境になっているからなのです。個々に仕切られていない程よく広い家のリビングや居間は空気の動きがあり、物音があって学習に向いています。
学校から帰ってきて、自室へ行って学習道具を出し、一人静かに机に向かって学習。という改まったルーティンを課すよりも整えすぎない環境で、カバンをおろして遊びに行く前にちゃちゃっと学習や宿題に取り掛かってしまう。結構忙しい小学生の毎日の中ではその方が学習、特に宿題は習慣化しやすいのではないでしょうか。
リビングは家族の集まる場所です。家族の目があることは程よい緊張感があります。また、集中が途切れてしまった時、一人で立て直すのは難しいかもしれません。でも家族がいれば、気晴らしもできて家族が励ますこともできます。学ぶ姿勢を認めてもらおうとすることが良い刺激になります。
学習でわからない事をすぐに聞けることは、つまづきを解決しながら進めることができます。音読やまる付けなど親の出番も多い宿題で、すぐにコミュニケーションが取れることは、安心感と満足感を与えます。子供の表情やしぐさで苦手や不得意も知ってあげられます。
兄弟が一緒の空間で学習できる場合は、それが相乗効果となり学習に取り組むモチベーションにつながります。また、親やおじいちゃんおばあちゃんがそばで趣味や家計簿、仕事などあえて同じ時間に取り組むのもいいかもしれません。
お互いをそばに感じながら各々の事に集中する時間は、家族特有の心地よさをもたらします。
自分だけが使う部屋ではないので、時間を考えて学習し家族の生活場面が変わるときは片付けをしなければなりません。ダイニングテーブルを学習に使っている場合はなおさら、片付けの必要性に迫られます。宿題、学習のために広げたものは、たとえ終わらなくても片づける時間がやってきます。そのことも頭に入れて学習することが自然と身につくので、時計を見ながら取り組むようになりますし、必要に迫られながらも片付けが習慣化していきます。
家族が家の同じ空間にいることは、エアコンや照明などの使用場所が一か所になるので、リビング学習は経済的ですね。
では、リビングで学習する事にはどのようなデメリットがあるのか、家づくりではいつもデメリットを考えて選択する必要があります。今回もあらかじめリビング学習スタイルを想定する場合はデメリットも知っておきましょう。
学校から帰ってきて、カバンをおろしてすぐに学習を始めて、そこで終わるわけですから、その荷物を自室に運ぶということが面倒になる可能性があります。リビングで広げて完結、明日の支度をして学校という流れになりがちです。また、自室への往復をしないと考えると、調べものに使う辞書や教科書など、リビングには子供の荷物が増えていきます。消しゴムのカスも散らかり、ふきとりずらい強敵になります。自室に行かない癖は、学校から持ち帰った用具(習字道具、絵具、鍵盤ハーモニカ等…)が全てリビングに我が物顔で居座るようになります。
兄弟の存在は、モチベーションやコミュニケーションに役立ちますが、反面兄弟喧嘩も引き起こします。兄弟喧嘩は、大きな原因もなく突如始まり、悪化します。そして、怒りや涙は学習や宿題、片付けさえも…、すべてのやる気を奪い去ります。そして、決して多すぎない学校の宿題終了にたくさんの時間を使うことになる日が多々あります。
喧嘩の勃発もそうですが、なかなか始めない。教えても聞く気がない。字がひどいなど、目が届くからこそ、口うるさくなったり、叱ってしまう、急かしてしまうという事があります。干渉しすぎず、受け身でいながらも励ますという余裕を、大人は持ち合わせておかなければなりません。また、上の兄弟や大人が教えすぎると頼る癖がつき、自力で解くことをしなくなります。叱らず、干渉しすぎないように見守りましょう。
リビングですから、テレビがあります。ペットがいたりします。キッチンからはいい匂いもしてきます。インターホンも鳴ります。くつろぐためのソファーがあり、家族が帰宅します。移動します。無音よりいいとはいえ、やはり気が散る要素は多い場所です。
ダイニングテーブル、ダイニングチェアは姿勢を保つことが難しい場合が多いです。ローテーブルもソファーも学習には適さない場合が多く、姿勢を崩したままの学習は長時間続きません。照明も柔らかい電球色はリビングでくつろぐ場合はいいですが学習や読書には向きません。
リビング学習のメリットは多いですし、特に低学年の子供たちにとっては自室で一人学習というスタイルより、リビング学習の方が自然な流れになるのではないでしょうか。それを想定してリビング学習の環境を整えておきましょう。
デメリットを解決できればいいのです。喧嘩や過干渉、気が散ることについてはルールを決めておくといいですね。子供の性格に合わせて無理のないルールを作ってあげましょう。
家づくりの時に考えておけるのは、机の設置や学校用具の置き場所を作っておく又は、想定しておくことです。大きくなるまではここに棚を置こうとか、カウンターのような机を通路に作っておこうとか、将来はワークスペースに変更できるよう考えてみるのもいいですね。工務店などでプラン提案を受ける時に考えを伝えてみてください。
照明は、リラックスできる電球色から学習、読書に適した昼光色に変えられるものがありますし、デスクライトも活用しましょう。椅子は、高さを調節する工夫をし、学習しやすい環境をリビングに少しだけ、整えておくことを考えてみて下い。
家族の考え方、子供の性格など自分たちに合ったスタイルの家づくりを考えてみてください。共働きであれば、夕方はおじいちゃん、おばあちゃんと過ごすというお子さんも多いと思います。この時間は机に向かってしっかり勉強させておいて!など厳しいルールを作ってしまうと、大人側を疲れさせてしまいます。みんなが楽しく安心して同じ空間にいられることは悪い事ではありません。受験も試験も一人で受けることは少ないです。人の気配、話し声、物音、雑音、その中で集中できる力は、大人になってからも必要です。
しかしながら、中学、高校となれば学習の質や時間も変わっていきます。リビング学習卒業の時期は無理強いせずに応援してあげたいですね。
家づくりの際レイアウトの中に、リビング学習、またはリビングワークの取入れを考えてみてはいかがでしょうか。
工匠は、千葉県松戸市・市川市を中心に自然素材を活かした注文住宅・古民家再生を手掛けています。
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古民家再生を行い、私たちらしい暮らしを叶えたい。
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