松戸市、市川市、宮大工が手掛ける注文住宅・古民家再生の工匠です。
皆様こんにちは。
細やかな作業を続ける大工さんの様子を撮影していたら、
変な定規(”定規”と書いてあったので…)を見つけました。
無知な私が見る限り、端材です。すみません💦
なので、勉強しました。
というわけで今回は、この道具を使って作業を進める加工場の様子をお伝えしようと思います。
『ササラ子定規』とは、
簓子下見板張りという工法の外壁を施工するための加工に欠かせない道具です。
↓こちらが簓子下見板張りの外壁です。
現在、都心など防火構造が求められる場所では、
なかなか見ることのできなくなった無垢材での仕上げです。
社寺や古民家、古城、または時代劇の世界では今でもよく見かけると思います。
昔から続いているようなアニメに出てくるおうちの外壁も、下見板張りだったきがします。
北海道の時計台の外壁も下見板張です。
↓羽目のイギリス下見
かつて下見板張りは、塗り壁と並んでポピュラーな施工方法でした。
上半分は塗り壁で、下側を下見板張りにしている外壁もあります。
少し重ねながら横張りにした板を下見板と言います。
下見板を縦に止めている細い木を押縁といいます。→「押縁下見板張り」
更に、押縁を下見板の重なりに合わせてギザギザに切り込む加工を施している物を、
「簓子下見板張り」といいます。
簓子下見板張りは、ギザギザ加工のない押縁よりも、下見板を貼る間隔が正確である必要があります。
更に、下見板のそりに合わせて丸みをつけながらの簓子加工は、
一つ一つ鑿による手作業(欠き込み加工)です。
『ササラ子定規』で、簓子加工をするための目印を引きます。
改めまして、とってもとっても大切な”定規”です。
雨水の侵入を防ぎやすい下見板の外壁は、和風建築にも洋風建築にも使われてきた工法です。
数々の工法の中でも、簓子下見板張りは、職人の技が魅せる美しく深みのある外壁に仕上がります。
弊社の加工場で簓子を加工する若い大工の真剣なまなざしが印象的でした。
工匠は、時代がどんなに変わっても大工の伝統技術と知識を守り、
後世に伝える役割があると考えています。
工匠では、今日も加工場と現場で若い大工たちがその技術を一心に学び自分の力にしています。
社寺建築はもちろん、新築で建てられる木造住宅も、古民家再生でも強く美しい建築物となるように
日々磨かれていく大工の技の魅力を、これからも皆様に発信し続けてまいります。
古民家再生を行い、私たちらしい暮らしを叶えたい。
他社で診てもらったら「建て替えた方が」と勧められたが、本当にそうなのか?
予算や間取りなど相談したい。