東京都江戸川区 O様邸
大工の技が残した百年の古民家を再生
撮影:川辺明伸
墨で記された上棟年は大正四年。
100年以上住み継がれた古民家の再生です。
建物を大切にしながらの手壊しは、当時の大工の高い技術を勉強し仕事ぶりを堪能するものとなりました。
土台に桧、梁に湾曲した太い松の木材。製材されることなく素材の特性を活かす素晴らしい構造です。
100の建物に恥じないよう、先人の大工に負けないような仕事を、
そして更に50年100年と住継ぐ家へと施主様に耳を傾けながらの古民家再生となりました。
▼天井で覆わない吹き抜けで立派な梁の構造をみせる。
▼造作階段。無垢材と黒アイアンの手すりで和モダンな雰囲気。
▼リビングと一体化させた広縁。当時のままの屋根の勾配に温かさを感じる。
▼一枚板で造作したキッチンカウンター。木そのものが持っている滑らかで美しいライン。
▼槍鉋仕上げの化粧丸柱。当時の梁との融合で施主様のご希望を叶えてゆく。
▼木製の造作格子戸をつけた玄関。外へこぼれる明かりも趣を感じる。
漆喰の白と100年前の木材が調和した和の空間。
▼当時の景観を崩さない修繕。ガラスに映り込む和の庭が美しい。
▼外壁は下見板と漆喰塗りで和のコントラストを生みだす。
100年以上前の古民家再生に携われたことに感謝いたします。