松戸市、宮大工が手掛ける注文住宅・古民家再生の工匠、広報担当の黒河内です。
皆様こんにちは。
近年、日本の文化でもある畳のある住宅が減ってきていているなと実感しています。
戸建てだけではなく、マンションやアパートでも畳からフローリングにかわってきています。
私は最近、新築やリフォームの現場に行くことが増えたこともあって、
改めて畳の良さに気づくことができました。
そこで今回は、
『畳』の特徴や注意点などをご紹介します。
これから家を建てられる方やリフォームをお考えの方は参考にしてみてください。
目次
皆さんご存知のように畳は日本で古来から使われています。
歴史は古く、奈良時代にはゴザのようなスタイルで座布団や寝具として使われていました。
室町時代に完成した書院造りから、部屋全体に敷き詰める形となり、
昔は使う人の身分によって、畳の厚さや、へりの柄・色が違っていました。
多湿な日本の気候風土に適した、伝統的な日本独自の床材です。
自然素材の畳は余分な湿気を吸収し、乾燥時は水分を放出してくれるので
常に室内を快適な湿度に調節してくれます。
また、い草や畳がシックハウスの原因とされる
化学物質や二酸化窒素を吸着してくれるので体に優しく健康な素材です。
い草の香りに含まれる成分には、精神を安定させる効果があります。
畳には独特の香りと柔らかさがあるので、ヨガやストレッチをするのにとても最適です。
畳には、適度な弾力性があるので転んでも怪我がしにくいです。
また、い草に含まれる空気が音を吸収してくれるので、
フローリングに比べて足音なども軽減されます。
以前、畳は和室のイメージでしたが、現代の畳は変化していて
色やデザインも豊富になり、和室だけではなく洋室にも合わせられるようになりました。
あえて和室は作らずに、リビングの一角や小上がりなどにして気軽に畳を楽しむ方が増えています。
(↑天然無垢の床材とも相性がバッチリでとてもお洒落です。)
湿気を含んだ状態のままにしておくとカビやダニが発生しやすくなります。
普段から換気をよくし、年に1、2回は畳を干すなどの手間がかかります。
また、4年~5年で裏返し(畳表と縁をはずして畳表をひっくり返し新品の縁と取り替え)
7年~8年で表替え(畳表と縁を新品に取り替え)をすると長く快適に楽しめます。
色がある液体をこぼしてしまうと、吸収してシミになってしまうので注意が必要です。
変色する場合もあるので、まめに掃除をするなど気をつけなければなりません。
畳は柔らかいため、重たい家具などを長時間置いておくと傷つき跡が残ってしまうことがあります。
家具を置く場合は、固くて薄い板などを下に敷いておくと、跡はつきにくくなります。
畳の種類は縁あり畳・縁なし畳(琉球畳)・床の間の3種類があります。
昭和から平成に建てられた住宅の和室に多く見られる畳です。畳縁(たたみべり)と呼ばれる布で装飾されているので畳の端や角が傷みにくくなっています。
縁がない畳で最近の新築住宅やマンションなどに見られます。縁がないため洋室に合わせやすく、お部屋を和モダンな雰囲気に仕上げられます。半畳サイズで縁のない畳は一般的に琉球畳とよばれます。
一般的な畳とは違い、各床の間に合わせたサイズで作られます。
畳表とは、足裏に直接触れる部分で、畳の表面です。最近は天然のい草以外にも新素材の物も多く普及しています。
畳のメリットでも書いたように、畳本来の魅力を楽しむなら天然のい草をおすすめします。香りや触り心地はほかの素材とは比べ物になりません。天然のい草は、お手入れをしっかりとすれば使うほどに艶が出てきます。
和紙を「こより」状にし、織り込み作られた物です。紙を使用しているので、自然素材の素朴な風合いを感じられます。カラーバリエーションや柄も豊富で、色落ちもしないので長く楽しめます。い草と比べて耐久性も高く、ダニやカビなどの発生もほとんどないのでお手入れも簡単です。
樹脂で作られているため、湿気は吸収しません。い草を使用していないので香りはありませんが、カビやダニなどの心配がない上に耐水性が高いのでお手入れや掃除も簡単です。
畳は変化してきて、手間やメンテナンスの必要のない
新しい素材のものまで幅広く選べるようになりました。
人々の暮らしも変わり続けていくなかで、
それぞれの暮らしやライフスタイルに合った床材を選んで
暮らしをより豊かなものにしていきましょう。
畳のメリット、デメリットを理解したうえで検討してみてください。
皆様の家づくりのお役に立てたら嬉しいです。
古民家再生を行い、私たちらしい暮らしを叶えたい。
他社で診てもらったら「建て替えた方が」と勧められたが、本当にそうなのか?
予算や間取りなど相談したい。